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真夜中の訪問者

キーボードを鳴らすのは夜が多い。朝からとか昼間とかにガンガンと音楽ではなくてキュイーンとかブィーンとかの音を鳴らす(弾くとは言っていない)にはちょっと気がひける。夜もヘッドフォンをつけてすることになる。しかし、これがなかなか落ち着かないのだ。没頭している間に電話が鳴ったら、何かの急用で来客があったらどうしようかと。真夜中に人が来ることなんて無いと思っていたら、何の連絡もなしに、実際に人が来ることがあるのだ・・・・。
それはある日のこと、夜中の3時に突然ガス警報器が作動し、警報を発した。対処の方法がわからず警報機を取り外して様子をみていたら、それから1時間ほどして玄関に来訪者があった。警備会社の社員らしく、様子を見に来たという。経緯を簡単に話してお引取りをいただいたが、真夜中に寝ぼけ姿ではなく、普通の服装で出てきたのは相当不審に思えたであろう(都会ではなく地方では特に)。

■玄関インターホンの検知
あまりに不安が募ると おちおちとしていられないので、来客や電話の検知をしてやろうと思い立ちました。ヘッドフォンに周囲の音を拾ってシンセ音とミキシングするというのではおもしろくありません。それではと、マイクに設定値以上の入力レベルがあればお知らせサインを出力するプログラムを作ってみましたが、敏感にしすぎたのか、やたらと警報が発生し、閉口しました。そこで周波数で判別してみようと思い立ちました。こういう時はそう、(みんな大好き)フーリエ変換なのだ。と言いつつ、そんな知識はまったく持ち合わせていません。FFTとかバタフライ演算などというキーワードは自慢ではないが聞いたことがある程度です。ネットの情報を探ってみた。そこで得た情報を元に、実現の条件をまとめてみる。

●なるべくコンパクトにしたい
●計算速度を考えるとやっぱりFFT(高速フーリエ変換)でしょう
●計測器を作るわけではないので、精度はそこそこにし、周波数範囲も可聴範囲で。
●浮動小数点演算ではなく、固定小数点演算が簡単そう。
●回転因子(これなに?)の演算は難しそうなので、ここは三角関数をメインにします。

■固定小数点とは何か
上にも書きましたがFFTを説明できるほどの能力はまったくありません。さらに固定小数点とは????なのでキーワードで検索してください。
キーワードは、FFT 固定小数点演算


■ターゲットの音源
当面のターゲットは玄関インターフォンの音色。この周波数はどうして測ればいいのか。パソコンでは音楽関連にはAudacityというプログラムがあります。音楽・音声に関しては思いつくことはほとんど出来るので重宝しています。このソフトの解析タブにスペクトラム表示というのが用意されているのでこれを利用することにしました。

キーワードは、Audacity スペクトラム表示 前後を反転

余談ですが、Audacityに関して感動したことがあります。さる有名な曲は、放送禁止になった元の曲を逆回転で再生して着想を得たという話がありました。実際に確認してみようと、テープで、モノーラルで録音した音をステレオで再生したらその逆回転の音を得ることが出来ました。この作業は準備に時間がかかり、結果は数分というものだったのです。これがAudacityではコマンド一発でできたことで感動しました。ローマ字で watasi wa bakadesu と書き、逆にしてusedaka bawisataw と録音し、逆再生するとちゃんと言葉になって聞こえるというのも音の真髄に触れるようで感動ものです。

■PICマイコンの謎
ネットでFFT関連のプログラムを検索すると、PICについてはほぼすべてが dspicに関するもので、8ビットマイコンシリーズではほとんど紹介がありません。理由はプログラムメモリーが少ない、メモリーも不十分だからです。だったらどこまで出来るのかを確認してみようと思いました。

■回路図
FFTcaller.png

■使用する部品のリスト
部品リスト 数量 単価
PIC12F1840-I/P 1 110
NJU7043D 1 70
ECマイクロホン C9767 1 100(4個で)
半固定VR(50KΩ)
1 40
LED 赤Φ5(Φ3の方が良好) 1 20
バッテリケース タカチ HU1220
1 176
電池 CR1220 (3V) 1 510(5個で)
片面ユニバーサル基板 60×28 
1 -
清涼菓子ケース 1 -

●PIC12F1840のマニュアルは英文ですが、同じファミリーの12F1822のが和文です。
●デジタルとアナログ回路の分離についてはトランジスタ技術2020年3月号p.64の回路(下記)を引用しました。マイク増幅回路のノイズがほぼ解消しました。
●OPアンプはレールトゥレール入出力(フルスイング)である必要があります。
●液晶モジュールはST7735R(緑色タブ)が使用可能ですが、クリップで接続し使用する形になります。接続した状態でのデバッガ操作に問題がありました。
●PICKIT3との接続もクリップで行います。
■組み立て
sPIC_164849.JPGsPIC_164825.JPG









●基板は清涼菓子のケースに収容しますが、フリスク品がなく、よく似たものにしました。
●マイコンやOPアンプに8P DIPソケットを使用すると、約1.5mmはみ出します。
●LEDはΦ5のものを使用しましたが、約2mm飛び出します。
●電池ケースはタカチ製がピッタリです。最適な形状のLR44は1.5V(残念)なので注意
●チップ抵抗やコンデンサはパターン面に配置しましたが、固定は接着剤のB-7000を使用しました。スマホの修理では必須部品です。熱が加わると固定が外れます。

sPIC_170340.JPGsPIC_170359.JPG







Curtis Fullerの「BLUES-ette」を聴きながらバーボンを飲むと、一気に1960年ニューヨークのファイブスポットカフェにジャンプできますぜ。

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以下の記事から回路を引用しました。
(1)「ライセンスフリー!MP3ソフトウェアプレーヤの製作」
    白阪一郎様  トラジスタ技術 2020年3月号 p.64 CQ出版社
※このブログで書かれた内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、予めご了承下さい。

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