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耳をすまして聴く

■キーボードを分解する
鍵盤が新品のようになったのはいいのですが、肝心の音が出ないのを何とかしないといけません。PC-50はプラスのドライバーがあれば簡単に分解できます。ケースの裏側のビスを数本を取るとパカッと外れます。開けた途端にバネが飛び出るとかはありません。ビスは無くさないように注意。

左側にある100mm角基板のコネクタ類を引っ張って外します。コネクタは何種類もありますが、ピン数が異なっているので、後で差し込む時も心配ありません。でも、静電気だけは注意。何か金属物に事前に触れておきます。

PIC_215419.JPG鍵盤の後側からの画像






鍵盤の後方部分にバネがケースとつながっているので、引っ張りながら外していきます。バネは49本あって、白鍵盤と黒鍵盤でそれぞれ長さが違っています。これはなくすと大変なので注意。バネの取り付け順番はないようです。(鍵盤の構造はうまくできていると思いました)

鍵盤に番号をつけながら(順番間違うとすきまが見苦しいです)すべて外すと、灰色のラバーゴムがついた長ーい基板が現れます。
PIC_211112.JPG






TVのリモコンを分解すると同じような構造を見ることが出来ますが、まったく同じです。このラバーゴムを外すのが一番大変なんです。外してしまうと、もう戻せないのかななんてフッと考えてしまいます。具合悪いことにラバーの周囲には両面テープがかなり強く張り付いていて、分解する気持ちを減少させるようになっています。ラバーは何組にも別れているので、識別の番号を記録しておきましょう。ラバーの尖っている出っ張りが基板の小さな穴に入るのかが本当に不安になりますが、多分、何とかなります。

■鍵盤接点
midi出力が出ないという不良はほとんどの場合、ラバーゴム内側の導通(黒い)部分がへたっているのが原因のようです。でも、分解してはじめてわかるのでは困ります。操作パネルのLEDディスプレイは、電源スイッチをONにすると数字を表示しますが、この時に鍵盤を押さえると、LEDのすみの部分が押し-離しにあわせて点滅します。これが反応しない場合はラバーゴムの導通部分の劣化と判断できます。

修理にはアルミテープを貼る方法と導電部を交換する方法があります。
作業自体は何にも問題はないのですが、鍵盤が黒白あわせて49鍵あります。スイッチが2個なので、49*2=98箇所もあり、相当な人間力を試されると覚悟をお願いします。
●アルミテープによる方法
アルミテープを3mm径で切り、導通部の頭に貼れば作業終了です。接着剤のついたアルミテープを下の画像のような型押し器で星形に切ると作業がはかどります。5mmサイズの星形には重要な意味があり、作業をすればわかると思います。
PIC_123411.JPG近くの100均ショップの調理器具コーナーで扱っていました。星形以外にも猫・犬・おたまじゃくし形などがありますが、使うのはなんでも構いません。
この方法、10万回の打鍵テストには耐えられないようです。アルミテープの接着剤をもっと強力なものにしないと剥がれてしまいます。(貼り直しが非常にめんどうくさい)

●接点導通部の変更
接点の黒い部分のみが劣化しているのだから、その部分だけ変更します。あの部分は何と言う名前かを検索しました。
キーワードは、接点、ゴム、導電
多分、アマゾンとかで引っかかると思います。PIC_123622.JPG
3mm径のもの。探せばもっと小さいものから大きなものまであります。





もっとお安くしたいと考えるとAliExpress(アリババ)にもありそうです。でも英語では何と呼ぶのだろうという疑問が浮かびます。
keyword is     remote   control   conductive   rubber   button
余談になりますが、AliExpressは送料無料のものも多く、中国発送なので消費税がかからないというのが気に入ってます。しかし、電子部品についてはインチ表記なので、注意が必要です。

mm inch
0402 01005
0603 0201
1005 0402
1608 0603
2012 0805
3216 1206
3225 1210
5025 2010
今回の記事には関係ないのですが、ついでながら、例として面実装のチップ抵抗のサイズ表記表をあげておきます。こちらはmmサイズと思っているのに、あちらはinchサイズで解釈するので間違えると大変です。





ラバーゴムの導電端子部分をカッターで切り取り、導電粒子をシリコンゴム用ボンドで接着します。
PIC_160217.JPGこのボンドは100均ショップでは手芸コーナーで扱っているようです。




●基板の方もクリーニング
長い基板には49*2個の、丸にスリットが入ったメッキ接点が印刷されています。この部分の接触不良も十分に考えられますので、アルコールかコンタクトZで導通を改善するといいでしょう。・・・・コンタクトZを馬鹿にしてはいけない。
PIC_214021.JPG








キーワードは、特殊接点復活剤  コンタクトZ

■再度、組み立て
外した順番を逆にして組み立てていきます。ラバーゴムの順番、白鍵黒鍵の順番を間違えないならきれいな状態に組み上がります。・・・という訳には行かないようです。ラバーゴムを基板の穴に入れるのが本当に嫌になります。この時に使う秘密兵器は、ゼムクリップという全長28mmの事務用品です。
PIC_152319.JPGゼムクリップを伸ばして使います。





このゼムクリップの直径は0.8mmですが、ちょうどラバーゴムの穴に合うのです。ラバーゴムの穴にゼムグリップを差し込み、その状態で基板の穴に差し込むという作業になります。最初から力を入れず、徐々に力を加えて行くのがコツです。

■キーボードが復活したら
キーボードが復活したら正常に動作しているかの確認が必要です。パソコンのUSB端子に接続するアダプターはワンコインくらいの値段です。接続する時に、INとOUTの端子を間違わなければ問題はないでしょう。
キーワードは、USB MIDI アダプター
keyword is midi adapter 
さて、音源はどうしましょう。

●パソコン(スマートホン)を音源にする。
フリーのソフトはWindows、Linuxどちらも多数あります。linux ubuntu や mintなどならばRosegardenがおすすめです。
キーワードは、Rosegarden QjackCtl FluidSynth Qsynth
そうそう、DX7クローンのソフトシンセサイザーも忘れてはいけません。
キーワードは、DX7  DEXED  VSTプラグイン
●音源ICを利用する
おすすめはVS1053bというICです。GM1インストゥルメントセットのmidi音源で最大同時発音数は64音もあります。他の仕様も感激するレベルです。秋月電子商会では基板もついて1000円未満です。(他に部品が必要です)
キーワードは、VS1053b 日本語データシート 私家版
これで練習用のシステムが完成しました。

さあ、ひと仕事が終わったので、笑っで酒を飲みに行こう。


※このブログで書かれた内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、予めご了承下さい。

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